名を呼ぶ声は。


彼女が得、失ったものと。
私が得、失ったものが、乖離していく。

それは、私たちを作り替えていく。
そのことは、摂理に近しい。



何年も、同じであることが、異常。
取り残されていくのだ、私たちは。

得て、失う。
それは、イコールのことではない、けれど。



彼女の欲しいものが。
私の欲しいものが。

嗚呼。
罪深いこと、それだけが、同じ。



愛しいひとは、何処ですか。
涙も憚られる程に、深い業、ただそれだけが。




07/11 05:11 | 重ねる言の葉 | CM:0
欲も望みも、理由も意味も。


もう、ないと思っていた。
予想を、易々と乗り越える。

簡潔な、強い単語。
揺らぐ感情、緩む唇。
かみさま、と、呟いたのは。




永遠なんて、無いのだと。
思い知らせてくれなくて、良い。

私は、信じたくて。
今も、信じたいままで。
それが、貴方への過ち全て。




何故、貴方からではないのだろう。
なのに、会いたい、と言われれば、それは。

かみさま、と、呟いた。
救いか、試練か、それとも罰か。
私には、もう、わからない。





06/14 05:59 | 重ねる言の葉 | CM:0
血の色は。


不可抗力であるかのような、言い回しが。
遅効性の毒のように、じわりじわりと滲みては痛む。

それは事実なのかも知れない。
けれど、真実ではないと、知っている。



己の単純さに、呆れ果てて失笑する。
結局、何もかも、許さないまま赦すのだ。

何より怖れていることが、起きてしまうくらいなら。
私の傷みが、痛みが何だと云うのだろう。



書いては消して、書いては消して。
そんな風にしたためた手紙も、言葉も、届かない。

なかったこと、に、されたのだろう。
それはつまり、この存在ごと、と、同義。



夜明けの度に突き付けられる、昨日と同じ今日。
己が不要であることを、否、既に、無であることを。

真実だけを欲する性が、血に血を見ては、滴を垂らす。
存在理由と生きる意味が、事実に喰われて泣いている。



『君には、無理だよ』
私には、無理なのだろう。

それでも、と、こうして言葉を紡いでも。
真実なんて、誰にとっても、価値はない、から。




05/29 04:50 | 宛名の無い手紙 | CM:0
変わらない、なら。


愛しさの行末を。
絶望の成れの果てを。
悲哀の鮮やかさを。
ただ、眺め、それから、見詰める。


運命と云う、響きの甘さ。
糸を手繰る、行為の残酷さ。
生きている、人よ。
貴方もまた、行ってしまうのか。


更ける夜。
止んでしまう雨。
眩しい世界。
触れようとして、隔たりに気付く。


君を忘れない、なんて。
そんな嘘は、要らなかった。
足首の鎖が、鳴いて泣いて哭いている。
いっそ、雁字搦めにして欲しかった。


欲望の行末を。
約束の成れの果てを。
喪失の鮮やかさを。
身に刻み、それから、私は。


言葉は落ちて、砕けてしまう。
届かない、そればかり。
生きている、けれど。
嘘でないなら、此処に、来て。




05/17 04:57 | 氷の弦 | CM:0
記憶と記録。


痛みで涙が出ることも。
怖くて確認ができないことも。
もう、ないのだと思っていた。


自分の身体では、ない感覚。
それを否定する、のではなく。
使う者として、責務を刻むような、痛み。


慣れないベッドで、天井を見上げる。
何もなく、何もない。
内側の傷は青黒く、痛みを変えて訴える。


此処にいることに、私固有の意味はない。
ただ。
記憶に刻んでおかなくては、ならない。


帰りたい、と、思う。
何処へなのかは、判らない。
ただ、其処に必要なのが誰かは、知っている。


未来がずれて、久しい。
けれど、後悔は、しないだろう。
忘れないように、忘れない、ように。


ほら。
今日が、始まるよ。
昨日ではない、今日と云う日が。




05/06 05:29 | 瑠璃色の虹 | CM:0
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